僕は、2015年8月から12月末までの約4カ月間、ドイツブンデスリーガ1部のボルシアメンフェングラッドバッハの女子チームでインターンシップをやらせて頂きました。
役職は、GMのアシスタント。
チームのコンセプトの確認、短期的なトレーニングメニューのプラン作成、そして練習前と後のミーティングなどなど色々な事に携わらせて頂きました。
若い選手のスカウティングでオランダに行った事もありました。そんなインターンをやっていて、サッカー大国ドイツの中でも優れた指導者である彼らから学んだ事をまとめて見ました。
1 サッカーが大好き
本当にみんなサッカーヲタクで、練習前も練習後もミーティングをするのですが、サッカーの話が尽きることはありませんでした。僕もサッカーは、やるだけでなく観るのも好きなので、練習後のサッカー談義で帰りが夜中の2時になる事もありました。僕はこの時に、「僕も好きな事で仕事をしたい。」と考えるようになりました。
2 こだわりがすごい
練習メニューは事前にある程度のプランは立てるのですが、マーカーの位置なども1ミリ単位で配置などを考えていると言っても過言ではないぐらい、こだわりが凄いです。チームのコンセプト、前節の課題、次節の戦術、そして選手のコンディションなど、様々な視点から観てベストな選択を選んでいるように感じました。「ただ、なんとなく」という言葉は、グランド内に存在しませんでした。
3 柔軟な対応
前述した通り、練習メニューのプランを緻密に練り上げますが、練習が始まると計画していた事と全く違う事をやったりもします。せっかく、時間をかけて作った練習メニューですが、選手達の実際のパフォーマンスと自分が想像していたパフォーマンスに異なりがあると、瞬時に新しいルールを加えたり、練習メニューを変更したりしてました。その柔軟な対応に経験値と創造力を感じました。
4 怒らない
ブンデスリーガの試合などを観ていると、怒鳴っている監督などを頻繁に観るので、一概に良いとは言えませんが、少なくとも僕のいた現場では、監督が選手を怒るという光景は目にしませんでした。しかし、大事だと思った事や言っておきたい事などがある時には、熱意を持って話していました。練習の雰囲気が緩い時などは、練習メニューに問題があると捉えて、追加のルールや、練習の内容の変更を行っていました。言葉や感情で選手達のモチベーションを変えるだけでなく、練習内容で変えるという事を学びました。
5 クリエイティブ
長期的なチームのコンセプト、集中的に改善したい点、また選手達のモチベショーンを高い位置で保つなど様々な要素を頭に入れて練習メニューを考えます。そして僕が今まで見たこともないような練習が何個もありました。そして、練習メニューを考えている時も遊び心を持ちながら、楽しんでいました。それを見て、本当にこの仕事は彼らの本職だなと感じさせられました。
6 チームの環境作りが上手い
当時1軍と2軍が頻繁に一緒にトレーニングしていました。本来であれば、人数も増えますし、1軍の選手と2軍の選手では能力にも差があります。疑問に思った僕は監督に質問すると、「この方が競争率が高くなる。2軍の選手は練習で1軍に上がれるチャンスがあり、1軍の選手は気を抜けば2軍に落ちてしまうという気持ちになる。」という答えが帰ってきました。2軍の選手も、全員が上を目指している選手達だからこそ、上手く機能した環境作りであり、さすが選手達を良く観ているなと感動しました。
ここまで読んで頂きありがとうございました!
以上、僕がボルシア・メルヒェン・グラッドバッハで気づいた事でした。ここに書かれていることは、もしかしたら当たり前のことのように感じる方もいるかもしれませんが、それが答えだと思います。世界トップクラブの育成コーチも当たり前のことを高次元で行います。僕自身、選手をやりながらこのようなインターンシップをやったことで、新たな視点からサッカーを見れましたし、サッカーチームだけに限らず、他の組織においても大切なことが含まれているのかなと思いました。
このインターンでの失敗談もあります。
よろしければこちらもどうぞ: ブンデスリーガのチームでインターン